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装身具の流通に携わる皆様へ

東京装身具工業協同組合理事長

装身具品質改善委員会 委員長

中川 繁樹

平素は当組合員に対しまして格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

さ て今般はご案内のように、昨年2月に米国消費者製品安全委員会(米国CPSC)が米国での子供用の金属製アクセサリーの一部に高濃度の鉛が含有されている という報告をしたのを受け、東京都生活文化局が安価なアクセサリーの鉛含有の実態についての調査を行い、去る3月6日にその結果がプレス発表され、現在都 内で市販されている安価な金属製アレルギーに米国CPSCの基準を超える高濃度の鉛が含むものがあることが判明しました。

東京都の発表の趣 旨は、あくまでも乳幼児が万が一誤飲した場合の鉛による健康被害に対する注意喚起ですが、一部の報道では米国では一般の大人向けアクセサリー商品も回収さ れたとの誤解を生むような表現もあり、また米国CPSCが商品撤去を判断するまでの手順の詳細が省かれているため、米国の暫定的基準が一人歩きして業界の 一部に過剰反応が生じているのが実態です。

実際に米国ではどのような商品が回収されているかを調べてみると、ほとんどが価格1ドル以下の中 国製・インド製の子供のアクセサリーであり、価格を抑えるためか材料には高濃度の鉛を含み、貴金属メッキも施されていない粗悪品が大半であることが判明致 しました。最近、靴メーカーのリーボックが景品で配布したブレスレットを飲み込んで死亡した子供の例もありましたが、この場合も飲み込んだ中国製ハートペ ンダントは鉛が100%だったとの報道がされています。

またアメリカにおいても現状では子供向けの鉛含有アクセサリーのすべてが回収されて いるわけではなく、まして大人向け商品は全く回収の対象にはなっていません。日本でもアメリカでも大人用アクセサリーの一部に鉛が含まれているのは事実で すが、もし含んでいたとしても低濃度であり、さらに適切な貴金属メッキがされているのならばそれほど大騒ぎする問題ではないと考えています。

米 国でもまだまだアクセサリーの鉛を規制する法律は施行されていませんが、今後の方向としては6歳以下の子供向けと大人向けとをはっきりと区別し、子供向け には厳しい規制をかける方向で進むようです。アメリカの規制の方向性については現在委員会で調査中であり機会があれば今後ご紹介する予定です。

今 回の鉛報道のきっかけはアメリカの子供向けアクセサリーの粗悪品に起因していますが、東京都の発表にもあるように鉛は毒性の強い物質であり、特に乳幼児が 誤飲した場合の健康への影響が懸念されますので、経済産業省・厚生労働省のご指導のもとに、組合としても真剣にこの問題に取り組むため、緊急措置として当 組合装身具品質改善委員会において協議を重ねた結果、

1.取扱いの注意を喚起するシールの作成・使用
1.取扱いの注意を喚起するペラ(商品購入者へ添付する取扱い注意書)の作成・使用

を早急に実施することと致し、また売り場での取扱いの注意を喚起するポスターの作成も予定しております。
 またこれに併せまして、金属製アクセサリーに関する調査等を可及的速やかに実施、将来的には米国等の基準を参考にガイドラインを作成し、使用金属材料における鉛の低減化の推進を図る所存です。

 金属アクセサリーは使用方法さえ誤らなければ決して危険なものではありません。この点をよくご理解戴き今後も安心してご購入、ご使用戴きたいと存じ上げます。また、鉛問題に関する当組合の取組にもご理解を賜り、向後一層のお引き立てをいただける様お願い申し上げます。

平成18年3月31日
東京装身具工業協同組合理事長
装身具品質改善委員会 委員長
中川 繁樹